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脳梗塞,脳出血後の片麻痺に対する磁気刺激治療のご案内


●はじめに

 片倉病院では東北大学肢体不自由リハビリテーション科の協力の下、経頭蓋磁気刺激装置を用いた脳梗塞,脳出血後の片麻痺の診断、治療を行っています。

●経頭蓋磁気刺激とは?

 ・頭に近づけたコイルから磁場を発生させ、皮膚に痛みを伴うこと無く脳に電流を流し、安全に脳細胞に刺激を与える方法です。



写真1 治療の様子

(写真をクリックすると拡大します)
左手に筋電計の電極を装着し,右頭部に当てたコイルより
磁気刺激を行っています。刺激による痛みは全くありません。
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●従来の治療方法との違い

 ・従来、片麻痺のリハビリテーションは、訓練する人が自分の努力で麻痺のある手足を動かすこと(運動療法,作業療法)により行われていました。

 →この治療法では、上記に加え、磁気で脳を刺激しながら訓練を行います。

 ・当院では本年度よりこの治療を開始し、片麻痺の回復の促進を目指しております。

●期待される効果

 ・磁気刺激治療はパーキンソン病、脊髄小脳変性症、うつ病の治療法として既に臨床応用されています。脳卒中後の片麻痺については近年臨床応用がはじまり,回復が促進される事例が報告されております。

 ・回復のメカニズムはまだ解明されておりませんが,脳の柔軟性(可塑性)が高まることで効果を発揮すると考えられています。

 ・刺激と同時に手足の筋肉の活動を電気的に測定することで、回復の見通しや、訓練の成果を客観的に測定することができます。

●対象となる方


 脳出血、脳梗塞後の病状が安定し、座位保持可能な方を対象としています。

 ※てんかんの治療中およびペースメーカーや頭部に磁性金属が入っている場合は対象となりません。

 ・まだ発展途上の治療であり、治療効果は脳卒中による脳の損傷の程度に大きく影響されます。しかし、特に手足を少しは動かせる部分麻痺の患者さんで効果的な場合が多く見られます。

 ・詳細は担当医までご相談ください。

●本治療についてのお問い合わせは下記までお願い致します


 メール : info@katakura-hospital.com

 TEL :0229(22)0016(代) 脳神経外科 片倉康喜

治療例:
51歳 女性 平成16年11月右被殻出血を発症した。通常のリハビリテーションを行い、ブルンストロームステージ左上肢 3、手指3、下肢3。平成17年5月より磁気刺激治療を開始した。治療中の左短母指外転筋の誘発筋電図を示す。 
(グラフをクリックすると拡大します)

[治療開始時]

[治療10日目]

[治療18日目]
筋電図上の電位上昇にともない、麻痺の改善をみとめ、3週間後には、Br.Stage 上肢4、指4、下肢4 へ改善し、独歩退院した。