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   放射線科

DRにおけるスリット法と矩形波チャート法によるMTFの計算ソフト

 

 このソフトを使用すると、Slit法および矩形波チャート像から、マルチアライメント法によるMTFを容易に求めることができます。ただし、ノイズ(ムラも)の影響や計算パラメータの違いで、計算結果が異なる場合もあります。基本的に、精度を確認した上で、利用者の責任において、計算結果を利用してください。

1.スリット像からのMTF計算ソフトの簡易マニュアル     

2.矩形波チャート像からのMTF計算ソフトの簡易マニュアル

・ DICOMタグのDetectorActiveDimentionに対応するようにしました。(2012/11/17)
・ PortraitとLandscapeの区別がつかない場合に、手動でRowsとColumsの値を交換するなど、Viewerの機能をいくつか増やしました。(2012/12/05)
・ VRの値が”OB”または”OW”の時の動作不良を修正しました。(2012/12/19)
・ 管電圧が高く(80kV以上)、低コントラストのチャート像に、より対応できるようになりました。(2013/09/13)

より、安定した動作と機能向上のため、予告なく、ソフト内容を変更する場合があります。このページで確認できるようにしたいと思います。

 ダウンロード ⇒ caldrmtf.zip

1.スリット像からのMTF計算ソフトの簡易マニュアル



ダウンロードしたファイルを解凍してください。そのホルダの中には、
   ”caldrmtf.exe” 
   ”dr_image_slit.raw”
   ”dr_image_swc.raw”
の3つのファイルが入っています。

”caldrmtf.exe”を実行すると、左のウィンドウが現れます。

赤い矢印の”⇒”ボタンで、MTF計算対象となるSlit像である”dr_image_slit.raw”のファイルを読み込みます。

 




”dr_image_slit.raw”は、meta情報を持たない画素値のみのファイルです。

このソフトでは、meta情報が読み取れない場合、右のようなウィンドウが現れます。表示された値は、ファイルサイズから自動的に求めた正方形マトリックスサイズです。

異なる場合は、X、Y方向それぞれのマトリックスサイズをスペースで区切って入力することで、任意のマトリックスサイズの画像を表示できます。

次に、左下段のウィンドウが現れるので、ピクセルスペースをmm単位で入力します。



読み込むと、Slit像と破線のROIボックスが現れます。画像マトリックスサイズは256×256で、自動的に表示された正方形ROIのサイズは128×128です。

スリット像がセンターよりずれていますが、問題はありません。

この画像ファイルは、4切りサイズのCRのものをトリミングし、画像(ピクセル)データのものファイルに加工したものです。

正方形のサイズと位置を変更します(Slit像の中心やや下気味)。ROIのサイズの目安は35×20程度。

次に、赤い矢印の”toMTF”ボタンをクリックしてください。MTF計算のウィンドウが現れます。



【 Chart-1 】


【 Chart-2 】


【 Chart-3 】

MTF計算のウィンドウの中のマルチアライメント操作部です。
チャート縦軸は。ピクセル値です。

【 Chart-1 】
@のアップダウンボタンをクリックして下さい。Slit像のプロファイルが赤のラインで表示されます。大きなエッジを伴った不連続な形状をしています。これは、マルチアライメント操作不良によるものです。
赤枠のSlit像の傾きが読み込んだ画像と逆向きになっています。


Aのラジオボタンをクリックすると赤枠のSlit像の傾きが読み込んだ画像と同じ向きになります。

【 Chart-2 】
@のアップダウンボタンをクリックすると、極端なエッジは消え、小さなエッジに変わります。
さらに、@のアップダウンボタンをクリックし、エッジが最少になるようにします。マルチアライメント操作が適正に近づいていきます。

【 Chart-3 】
適正なマルチアライメント操作によるプロファイルカーブが得られたところです。
緑色の枠内のチェックボックス”Sync”をチェックします。次に”Smooth”ボタンをクリックします。
続いて、B、Cのボタンを順番にクリックすると、ラインスプレッドファンクションの表示に切り替わります。

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* ピクセル値/露光量変換について

1.直線階調、ダイナミックレンジ指定:
赤枠内の2つの数値は、露光領域4桁(FCRでいうL値4.0)、BitsAlocated12を意味します。特性曲線を使用せずにMTFを求めることができます。ただし、直線階調時に限ります。

2.任意の特性曲線を使用する場合:
Chart-3の青枠内のフィールドへ、測定点間を補間した露光量の対数とピクセル値のCSV形式テキストデータをペーストし、Gのチェックボックスをクリックすることで、特性曲線を使用したピクセル値/露光量変換が可能です。

 

 

 



【 Chart-4 】


【 Chart-5 】


【 Chart-6 】

ラインスプレッドファンクションの表示部です。
縦軸は、相対露光量の対数です。

【 Chart-4 】
Eのボタンをクリックすると、MTFを計算し、MTFカーブの表示に切り替わります。

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* Trancation errorを補正する場合

【 Chart-5 】
ラインスプレッドファンクションの左裾のカーブ上で、マウス左ボタンクリックにて外挿開始点()を指定します。指定が有効であれば、赤枠内の3つフィールドに数値が表示されます。
赤色矢印のボタンをクリックするとピーク値の1/1000まで外挿されたLSFを求めます。

【 Chart-6 】
外挿されたLSFカーブです。外挿した範囲は緑色のカーブで示されます。

Eのボタンをクリックすると、MTFを計算し、MTFカーブの表示に切り替わります。



MTFカーブの表示です。

赤い矢印のフィールドは、MTFの数値リストになります。

Slit法では、赤い枠内はのボタン類は使用しません。

 

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2.矩形波チャート像からのMTF計算ソフトの簡易マニュアル



ダウンロードしたファイルを解凍してください。そのホルダの中には、
   ”caldrmtf.exe” 
   ”dr_image_slit.raw”
   ”dr_image_swc.raw”
の3つのファイルが入っています。

”caldrmtf.exe”を実行すると、左のウィンドウが現れます。

赤い矢印の”⇒”ボタンで、MTF計算対象となる矩形波像である”dr_image_swc.raw”のファイルを読み込みます。






”dr_image_swc.raw”は、meta情報を持たない画素値のみのファイルです。

このソフトでは、meta情報が読み取れない場合、左上段のようなウィンドウが現れます。表示された値は、ファイルサイズから自動的に求めた正方形マトリックスサイズです。

異なる場合は、X、Y方向それぞれのマトリックスサイズをスペースで区切って入力することで、任意のマトリックスサイズの画像を表示できます。

次に、左下段のウィンドウが現れるので、ピクセルスペースをmm単位で入力します。



読み込むと、Slit像と破線のROIボックスが現れます。画像マトリックスサイズは2048×2048で、自動的に表示された正方形ROIのサイズは1024×1024です。

この画像ファイルは、II-DRの装置のHDより直接取り出したもので、メタ情報を持っていません。

@の”+”ボタンで、1.6倍程度に画像を拡大表示すると、マウス操作が容易です。

左図の様に、ROIのサイズと位置を変更します。ROIサイズの目安は985×30程度。

次に、Aの”toMTF”ボタンをクリックしてください。MTF計算のウィンドウが現れます。



赤枠内の画像の四隅のラジオボタンを切り替え、赤枠内の矩形波チャート像と読み込んだ矩形波チャート像の向きと傾きが同じになるようにします。

赤い矢印のアップダウンボタンで、左脇の数値が19になるようにします。この数値は、マルチアライメント操作のライン数になります。

矩形波周波数3.0(lp/mm)に該当する青枠の矩形領域を左上から右下にマウス左ボタンを押しながらドラッグすると、その範囲が拡大表示されます。


拡大表示されたものですが、非常にノイズが多いことが分かります。

II-DR方式のX-TVの画像なので、X線量をあまり上げることもできません。

緑色の枠内のチェックボックス”Sync”をチェックします。次に”Smooth”ボタンをクリックします。
かなり、ノイズが目立たないようになります。

* チャートの拡大表示では、マウス右ボタンを押しながらドラッグすると、スクロールできます。



ノイズ低減処理後の状態です。

チャート上で、右下から左上へドラッグすると、元の表示に戻ります。



拡大表示から元に戻った状態です。

赤色の矢印のボタンをクリックします。

MTFが瞬時に計算され、そのカーブが表示されます。

MTFの計算は、@矩形波コントラストを求め、Coltmanの補正を行う方法と、A各矩形波周波数毎のプロファイルについてフーリエ変換を行い、その基本周波数の正弦波の振幅から求める方法がありますが、このソフトでは、後者Aのアルゴリズムを採用しています。
【参考文献】室 伊三男,池田 秀,原口信次,他:矩形波チャートを用いたフーリエ変換によるMTF測定.日放技学誌,50(3),379-385,(1994).



MTFカーブが表示されたところです。

矩形波チャートの各周波数の測定点を緑色の点で、それらを高次多項式近似にてフィッテイングしたもを赤色の実線で示しています。

赤色矢印のタグ”Profile”をクリックすると、このソフトで自動検出した矩形波のピーク位置を確認できます。



矩形波ピークを自動検出した点を、青色の短線でポイントするようになっています。

10 矩形波周波数3.0(lp/mm)に該当する領域のみを拡大表示したものです。10個のピークを全て検出しています。

マークされている点は、各ピーク幅の中点であり、最大値と一致しているわけではありません。









 

 

 

マルチアライメント操作のライン数を視覚的に決定するには

チャート像を適当に拡大し、左図の様に、0.5(lp/mm)の位置にROIを設け、MTFボタンをクリックします。

マルチアライメントのライン数をで変更し、プロファイルのグラフ上で最も歪の少ないライン数を求めます。

 

 

 

 

 

左図プロファイル :

上段 ; マルチアライメントライン数が過多
      エッジ出現

中断 ; マルチアライメントライン数が適正
     滑らかな形状

下断 ; マルチアライメントライン数が不足
     一定しない歪

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 診断用のViewerと比較すると、機能は限られますが、DRのMTF計算を目的としています。

Viewerとしての機能

 

@の”⇒”ボタンで対象とするDICOM画像を読み込みます。

A読み込んだ画像ファイルのフルパスファイル名が表示されます。

B”+”ボタンで画像の拡大、”−”ボタンで縮小、数値は拡大率です。

Cラジオボタン
・”ROI”:計算対象となるROI を使用します。
・”Move”:拡大表示の時に、マウス左ボタンを押しながら、ドラッグすると、画像をスクロールできます。
・”Home”:画像が、拡大率1.0、ホーム位置に表示されます。

Dの”toBMP”ボタンで、表示中の画像をビットマップ形式で、クリップボードに貼り付けます。

EDICOMタグ一覧:このフィールドをダブルクリックすると、縦方向にサイズが大きくなります。ダブルクリックで元のサイズに戻ります。

*マウス操作と機能
・ROIサイズの変更:ROIが表示されている時に、ROIの左上隅または右下隅をマウス左ボタンをドラッグする。
・ROIの移動:ROIの内側で、マウス左ボタンをドラッグする。
・Windowing:画像上で、マウス右ボタンを押しながらドラッグする。
・同一ホルダ内の画像ファイル変更:最初に表示させた画像ファイルがあるホルダに他のDICOM画像がある場合、マウスホイールを回すことで、他の画像を表示します。

 


@の”V”ボタンで、画像の上下反転ができます。

Aの”H”ボタンで、画像の左右反転ができます。

Bのボタンで、画像の90度回転ができます。”CCW”で反時計回りに、”CW”で時計回りになります。

(これらの操作は、表示上のみ変更するのではなく、読み込んだ画像ファイルのメモリ上の配置を変更しています。このことにより、マルチアライメント操作における画像の方向と傾きを調整できることになります。)

Cのボタンで、ROI内のピクセルデータをメタ情報無しのバイナリ・データとして保存します。ファイル名にマトリックスサイズが付加され、拡張子は”bin”です。

Dの”ROI Size”のフィールド上で、マウス右ボタンのクリックにより、2のべき乗のサイズのプルダウンメニューが現れます。

Eの”⇔”のボタンで、”Row”と”Column”のフィールドの数値をスワップします。”Row”と”Column”に数値が表示されているにもかかわらず、正常に表示されない場合に使用します。

ちなみに、上と下のスリットはメーカーが異なりますが、両者とも、スリット幅は10(μm)です。

 



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